あったろー(秋太郎)のこと

僕はあったろー(秋太郎)に目がない。


県外で暮らしていても、秋になると「あぁ秋太郎の季節だなー」なんて思ったものだ。だから、鹿児島に戻り、秋太郎を食べられるのは幸せだ。


秋太郎は鹿児島沿岸でこの季節にとれるバショウカジキのことで、鹿児島以外ではこの呼び名にはあまりなじみがないのではないかと思う。少なくとも僕が暮らした東京の街で秋太郎に出会ったことは一度も無かった。関東出身の妻は、鹿児島に来て初めて食べたと言っている。


今では僕が秋太郎を買って買えると、「あきたろう?今日は贅沢だね」と目を輝かせる。「あのね、あったろーだよ」と毎回ツッコミを入れるのにやや辟易しているが、故郷の味を好いてもらえるのはやはり嬉しい。以前はかなり安く手に入っていたような気がするのだけど、最近は結構贅沢価格になってしまったのは少し残念だ。


ところで、秋太郎の中でも、やはりトロの部分が僕は一番好きだ。価格も赤身と変わりないし、少しスジのある部分などはかえって安く売られていたりする。牛肉に関しては赤身の方が好きな年になったけれど、秋太郎の場合は、脂がたっぷりとのってはいても、サラッとした甘みのある脂で全くしつこくない。


わさびをたっぷりのせて、サクラカネヨのキリッとした辛口の生醤油で食べる。

ビールに、焼酎、日本酒、何にでも合う。


・・・最高だ!


今日も蓬莱館でちょっとお得かなと思う秋太郎を見つけて、つい買い求めてしまった。地元・江口産の生の秋太郎が割安で手に入る、幸せなことだ。現在、日曜日の14時、すでに気持ちはソワソワしていて、仕事終わりの一杯が楽しみだ。今度、ビールと焼酎を持ち寄って、秋太郎をあてに、仲間とワイワイやるのも良いな、そんなことも浮かんできた。

 


写真の秋太郎、ブロックで見るとまるで牛肉に見えません?でも、甘くて、サラッとしていてとっても美味しいのですよ。ちなみに、蓬莱館は湯之元から車で5分の海岸沿いにある物産館です(念のため)。